教師をしていると、必ず叱らなければならない場面があります。「子どものためを思って叱っているつもりだけど、どう受け取られているんだろう」と叱り方に悩んだ時期がありました。
先輩教師からは、「叱り方なんて勉強しなくても自然に怒れるものだよ。」と言われました。だけど小学校教師としての叱り方にはコツがあると思うのです。
①短く分かるように叱る
よく言われていることですが、長い言葉は子どもの頭に残りません。例えば、「鉛筆をおいて立ちます」ではなく「鉛筆を置きます」「立ちます」という風に、短い言葉で伝えた方が理解しやすいのです。
叱るときも短く、その子に伝わるように言う必要があります。
②自分の言葉で反省点を言わせる
「どこに過ちがあったのか」「何を叱られたのか」が分からない子どもが案外多いのです。納得するまで、叱られるに至った行動を一緒に振り返り、頭の中で整理させましょう。自分の言葉で、反省点をあげさせるとしっかり振り返ることができるようです。
③冷静に、一貫性をもって叱る
これがなかなか難しいのです。私自身、高学年を担任したときには、ついかっとなってしまうことがありました。人の気持ちを逆なでするようなことを言うことが上手な子がいるのです。
だけど、こちらは教師です。同じ土俵に立ったら負けです。一歩引いて冷静に「叱る」ことが大切です。
叱るときには、一貫性をもつことが大切です。どんなときに叱るのか、自分の中でよく考えて決めて、子どもたちにも話しておきましょう。すると、「◯◯さんは叱られたのに、◯◯さんは叱られない。不公平だ。」なんていう不満が出にくくなります。
④フォローが大切
その児童とのよい関係を保っていくためには、叱った後のフォローが大切です。「先生は、あのことは怒ってたけど、自分のことが好きなんだ」と感じてもらえれば、その後の指導が入りやすくなります。
叱ったあとは、その児童をよく見ておきます。何かよい行いをしていたら、即座にほめてあげましょう。授業中や休み時間、お手伝いなどで、意図的に活躍できるチャンスの場を与えるのもよいかもしれません。
まとめ
「叱り方」は人それぞれ違うし、「叱り方」に正解はないです。同じことを言っても、表情やタイミング、声色だけで、ずいぶん違った印象になることもあります。
「叱り方」について迷ったときには、本を読んで、自分の「叱り方」について一度見直してみるのもよいのではないでしょうか。
子どもの力を引き出すうまい叱り方 [ 桑原敬子 ]
発達が気になる子の心に届く叱り方・ほめ方(小学校編) [ 上野一彦 ]