小学校、低学年親の信頼を得る「保護者会」の方法

「保護者会」は1年に何度かしかお会いできない保護者に、担任の方針やクラスの様子を伝える大切な場ですよね。大切な場だと思うからこそ、何を話したらよいのか迷います。

保護者会の前にしておくことは?

私は、保護者会の前に「話すネタ」を全てノートに記すようにしていました。面倒ですが、一度文章にすることで、伝えたいことが見えてくるように思います。

また、普段からクラスの様子は、よいところを中心にメモ魔になっておきます。週案のすみっこでよいのです。「くすっ」と笑えるようなやりとりもいくつか紹介できるように準備しておきましょう。

保護者会で話す時に心がけることは?

私は、クラスのよかったことをたくさんお話しします。
心あたたまるエピソードなどは、実名を出して話すことにしていました。

大事なのは、よいことを10つ話した後に、困っていることを1つ話すこと。
困ったことばかり話してしまうと、保護者に責任転嫁しているように思われるし、子どもが学校を楽しめていないのではと不安にさせてしまいます。

それも、どうして欲しいのか、何を手伝ってほしいのかを具体的に伝えることが大切です。
「困っています」と言っても、保護者の方は「それで…どうしたらよいの?」となります。

例えば
①言葉遣いが悪くなっている→家でも気になる時は注意してほしい。
②宿題を提出率が下がってきた→「宿題やった?」と声かけだけでもお願いしたい。
できれば、宿題をやっているかのチェックをしてほしい。
一緒に宿題に取り組んでほしい。
③忘れ物・落とし物が多い→一緒に持ち物確認をしてほしい。
全ての持ち物にもう一度記名をしてほしい。

実際の保護者会の流れ

実際に2年生の1学期末保護者会の例を使って、流れを紹介します。

①1学期の子どもたちの様子と課題
(1)生活面
(2)学習面
②1学期の行事より
(遠足、文化祭、家庭訪問、個人面談、参観日)
③1学期の評価について
※通知表のコピーを見せながら評価の方法についてお話しします。
④夏休みの生活
(プール開放、ラジオ体操、地域行事への参加)
⑤夏休みの課題
(夏休みの宿題を1つ1つ説明。低学年は親に理解してもらっておくことが大切です。)
⑥その他連絡事項

この流れに自分で肉付けをしていくイメージです。①の生活面では、朝→授業→休み時間→給食→掃除→帰りというように1日の流れにそって話すと、話がしやすいです。

この時は、元気がよく給食をたくさん食べるエピソードや朝のスピーチでの頑張り、学校の決まりを守って生活している子が多いということなどを話しました。あとは、授業中の発言や友達同士の関わりで見ていて嬉しくなったことをたくさん伝えます。

・掃除中に水をこぼした→○○さんが進んで拭いてくれた。
・嫌なことがあって泣いている子がいた
→○○さんは「悲しい時は落ち着くまで泣くといいよ。ほっておこう。」
→○○さんは「大丈夫だよ。みんな苦手なことはあるし、ぼくもうまく出来ないよ」
→○○さんは「あとからゆっくりやればいいよ」

困っていることは、この時は「けんかが多いこと」でした。保護者の誤解をうまないように対応の仕方を話しておきました。(トラブル時は、お互いの話を聞いている。何が「悪かった」かが分かるのが今の勉強なのでけんかして当たり前。)
家庭へのお願いとしては「泣いている子や怒っている子にはじっくり話をきいているつもりだけど、気づかないこともあるかもしれないので、家でなにか言っていたら遠慮なく教えてください」と伝えています。

①の学習面では、教科ごとに話をします。国語では、漢字の教え方。音読の方針。算数では、理解が難しかったところ(この時は、時計でした)。筆算の足し算や引き算は学校での決まったやり方、ノートの書かせ方をおうちの方にも教えます。家で勉強を教える時にも同じやり方で教えていただけるからです。

図工や音楽、生活科や体育も、どんなことを勉強しているのかを話します。また、お願いしたいこと(図工の材料や生活科の手伝いなど)を話しておきます。後日お便りを出すのですが、いつも早めにお知らせしておいてほしいという意見をたくさん頂きます。

行事や評価は、学校によって違うと思うので、省略します。プリントを見れば分かるようなことではなくて、具体的に話すのが喜ばれるポイントです。
評価に関しては、「いいところをたくさんほめてください」といつも伝えます。怒られてやる気をなくす子が時々いるようです。

保護者会にあたって大切なのは?

保護者会で大事なのは「担任の一生懸命さが伝わる」ことではないでしょうか?子どもたちのために一生懸命やってくれている、細かいところまでよく見ていてくれるということは信頼につながります。

保護者からの信頼を得られたら、怖いものなしです。トラブルが起きたときにも、心強いですよ。保護者の方が子どもを説得してくれたり、本音を聞き出したりしてくれた経験があります。

教師は忙しいし、人間なんだから、みんな欠点があり、完璧ではありません。できることは「子どもたちのことを大切に思って、毎日一生懸命指導すること」と「それを保護者の方にも上手に伝えること」です。

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