教員は忙しい、仕事量が多いとよく言われる。実際のところ、ブラックだと言えるのだろうか? ヤフーニュースでこんな記事を見つけた。
■新任教員 月平均90時間の残業
教員の長時間労働についてその詳細な実情が、今年の6月に雑誌『季刊教育法』に発表された。名古屋市の新任教員に関するデータで、その一年間の勤務状況を見てみると、時間外労働時間(残業時間)が月平均で90時間に達しているというのだ。
教員の具体的な労働時間についてはこの数年大きな話題になっていて、調査もいくつか実施されてきている。だが同誌に掲載されたデータは、後に示すとおり、とても具体的で詳細なものであり、従来の調査よりもリアルな現状が見えてくる。データを発表したのは、大橋基博氏(名古屋造形大学・教授)と中村茂喜氏(元名古屋市立中学校教員)である。両氏は、市教委から入手した資料をもとに、2015年度の新任教員25名の出勤と退勤の記録を分析し、各月の時間外労働の時間数を算出した[注1]。その結果、新任教員の時間外労働は月平均で90時間となり、8月を除くすべての月で、時間外労働の平均が「過労死ライン」の80時間を超えていることが明らかとなったのである【図1】[注2]。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20161030-00063877/
私が、新任教員の頃(10年前)はどうだっただろう。
朝は、8時15分に子どもたちが来るので、1時間前、7時頃に出勤していた。勤務終了時間は16時45分となっているが、その時間で帰れたことはない。新任のときは、20〜21時頃学校を出ていた。家に帰ったあとも、残りの仕事(次の日の授業の準備や採点)をやっていた。
こう考えると、1日の残業時間が4〜5時間。1ヶ月で80〜90時間となる。やはり過労死レベルを超えている。小学校でもこの残業時間なのだから、部活がある中学はさらに大変なのではないか。
私の場合、周りもみんな同じくらい仕事をしていたし、それが当たり前だと思っていた。確かにいつも疲れていたし、仕事をしながらソファーで朝まで寝ることも・・・。このとき、「過労死レベルの残業ですよ。」と言われていたら、頑張れなかったかもしれない。
教員の仕事は、「人対人」の関係で成り立つものなので、時間で割り切って働くことは難しい。毎日会うクラスの子どもたちには愛着がわき、「あれをやってあげたい」「これも準備してあげよう」と思ってしまう。すると、際限なく仕事が生まれる。
ただ、私は教師をブラックというのかは、難しいと思う。一般企業も同じくらい残業している人はたくさんいるし、教師という仕事の本質を考えると仕方のないことかもしれない。熱心な教師ほど、残業が多いという現実は、制度が多少変化しても変わりそうにない。